米国株・BTC/アルトコイン仮想通貨・海外ETF初心者の投資入門

米国株/仮想通貨(ビットコイン・イーサリウム)/ETF/REIT等世界の資産運用がわかる初心者のための入門ブログ

コインチェックは本当に金を返せるのか。関東財務局からの行政処分と月間取引高

仮想通貨界隈では先週末からコインチェックでのNEM(XEM)のハッキング問題で話題が持ちきりです。ただ、当局の動きは早く、2018年1月29日に関東財務局から行政処分が出ています。【追記:2018年1月30日】

当局によるコインチェックの行政処分の内容のまとめ

内容は以下のポイントとなります。

(1) 本事案の事実関係及び原因の究明
(2) 顧客への適切な対応
(3) システムリスク管理態勢にかかる経営管理態勢の強化及び責任の所在の明確化
(4) 実効性あるシステムリスク管理態勢の構築及び再発防止策の策定等
(5) 上記(1)から(4)までについて、平成30年2月13日(火)までに、書面で報告すること。

>>コインチェック株式会社に対する行政処分について:財務省関東財務局

顧客対応やらシステムリスク管理などは当然としても、今回の事実関係と「原因の究明」を2週間でやり遂げなければなりません。

正直、原因究明までもっていけるのかは不透明な気がします。

システムリスク管理について

先日の同社マネジメントによる記者会見では、以下の2点がポイントになりました。

  • なぜコールドウォレットに保管していなかったのか。
  • なぜマルチシグを実施していなかったのか。

そうした疑問点をNewsPicksがQUOINEの栢森氏にインタビューしているのが参考になります。

newspicks.com

仮想通貨取引所って儲かるのね、という話

コインチェックのセキュリティに甘さがあったとはいえ、460億円もの金額を「自己資金」で、つまり自分の懐にある現金でNEM保有者に戻すというアナウンスは多くにとって驚きをもって迎えられました。そんなに儲かっとんかい?!というツッコミとともに。

立ち上げて数年のベンチャー企業が500億弱の金額を補償に回すという発言が、上場のネット証券などを見渡してみても、「うーん、おれたちなんで仮想通貨扱っていなかったんだっけ?」という声も聞こえてきそうです。

corporate.coincheck.com

マウントゴックスのようなシーンを思い浮かべた人も多かったと思いますが、先の発表以降、NEMを中心に価格は大きく反転しました。

仮想通貨ホルダーは、やれやれ一安心という感じです。

まだ、コインチェックホルダーは手元に資産が返ってきていないので、安心できませんが…。

コインチェックは本当にそんなにキャッシュを持っているのか

Bitcoin日本語情報サイトによれば、コインチェックの2017年12月の月間取引額は約3兆1800億円。

コインチェックは鞘をかなり抜いていたプレーヤーでしたので、仮にそのマージンが6%だったとすると、取引手数料は月間で約1900億円。

※山本一郎氏は下記記事内で手数料(スプレッド)は8-10%と指摘。であれば、2500億から3200億円の手数料収入があることになる。

コインチェック社「持ってないコインを消費者に売る」商法と顛末(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース

仮に、仮想通貨の調達でうまくいかずにマージンがその半分の3%だったとしても1000億円弱あるわけです。

※先述の山本氏の指摘ではそもそも時期によってはコインを調達してすらいなかった可能性も指摘。

もっとも仮想通貨はここしばらく上げ相場だったので、手持ち通貨をホールドしていても相当含み益があったはずです。

また、毎月生み出される収益でマイニングをしていても手持ちの通貨は増えていたことでしょう。

そしてそれらにかかる人件費や減価償却、広告宣伝費などを除いても数百億円後半の営業利益があったと見てもよいでしょう。

何度も繰り返しますが、月間の話です。

コインチェックの決算期が何月かにもよりますが、直近の収益はまだ税金を納めていない可能性があります。

となると、今回のNEM保有者への補償は「特別損失」の項目に該当したとすれば、税引前利益から控除されることで、コインチェックはこれまでため込んだ税金を支払わなくとも済むかもしれません。

460億円は意外に彼らにとってそれほど負荷の重い金額ではないのかもしれません。

また、補償期間が指定されていないのも、決算期をまたぎながら特別損失を計上することができれば、支払う税金を抑えることができるかもしれません。

もっとも、会計上そうした継続した処理が許されるのかは分かりませんが。

月次取引高 - 国内ビットコイン市況 | Bitcoin日本語情報サイト

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

なぜ記者会見で損害は全額補償するよと言い切れなかったのか

一方で、仮にコインチェックが現金をたくさん持っているとすれば、前回の記者会見時に「当社は現金を沢山持っているから補償します」となぜ言い切れなかったのか、という疑問が浮かび上がります。

実際先ほど簡単に計算したようなレベルでは収益は出ておらず、580億円の被害に対して460億円の補償をするという(今回の事件以降NEMの価格が下落したので)、一見合理性がありそうで、コインチェックのNEMホルダーにとってはなんなんだよということですが、大盤振る舞いできないという状況があったとしましょう。

その際には、第三者割当増資なども含む外部からの資金を受け付けるプランのため、補償期間を明言できないという可能性はあります。

まとめにかえて

今回は、一応コインチェックは補償するといっているので、損を被る人がいるものの、全員がお金が戻ってこないという最悪のリスクは避けられたといえるでしょう。

ただ、今回分かったことは、取引所がめちゃめちゃ儲かっているということと、仮想通貨はまだマイナーな資産という認識だったのが、コインチェックのNEMのホルダーだけで26万人もいたという衝撃的な事実です。

なんかもう、日本の30-40代の頑張っても報われない世代が初めて見るバブルっぽい風景に「億り人」という本当に儲けた人も含めて、熱量が高まっている時代というのが見えてきます。

bitFlyer ビットコインを始めるなら安心・安全な取引所で

あわせて読みたい