米国企業の決算情報の調べ方
日本企業の株式投資に慣れた方でも、米国株・アメリカ株投資となると、どのように企業決算の情報を入手すればよいのか迷ってしまいますよね。ここではどのように企業情報にアクセスするかの方法を解説します。
米国株初心者が取引を始める前にどのように企業決算情報を入手するか
まずはじめに強調しておきたいのは、米国企業の企業決算情報に関しては、日本企業の情報開示よりもはるかにフェアです。
フェアとは何かといいますと、(世界中の)誰もが同じ情報に平等にアクセスする環境を整えてくれているということです。
当然、言語は英語になってしまいますが、インターネットを活用すれば、米国にいる投資家や証券アナリストと同じ内容の情報に同じタイミングでアクセスることができます。
日本企業では、決算説明会が東京を中心に行われます。機関投資家と呼ばれるプロの投資家や大手証券会社の証券アナリストが参加する決算説明会で議論される内容は必ずしも公開されるものではないですし、中には決算説明会で配布される資料は公開されないものもあります。
一方、米国は米国に投資をする投資家が世界中にいるという事実もありますが、米国も東と西も含めて時差がありますし、東京のように会社が一極集中しているわけでもないので、決算説明会を一部の都市だけで行うことは実際不可能です。
こうした点もあり、歴史もありますが、米国企業の情報開示ははるかに先進的といえます。
米国企業の決算情報はIRから
米国株初心者が株式の売買をするにあたり、どのように情報を入手するかについてお話しします。
たとえば、グーグルを例にとってみましょう。グーグルについて、調べたいなと思ったときは、
「Google IR」とグーグルやヤフーの検索サイトで検索をしてみて下さい。この際、注意してほしいことは、検索する際には、アルファベットで入力してください。英語のサイトを検索しようとしていますので、当然とも言えますが、念のために記しておきます。
さて、IRとは何のことかまだご存じない方もいるかと思います。簡単にIRについて説明しておきます。IRとは、インベスター・リレーションズの略のことです。投資家との関係を構築する事業会社内の部署です。
IRは、企業が主に投資家に対して、投資判断に必要な情報を開示することが主な役割です。その開示姿勢も、企業価値に影響がありそうな内容については、適宜、迅速に公開することが求められます。また、通常の企業業績の内容については、公平にまた継続的に開示することも重要な役割です。
IRとPRの違いは、一部の書物には「PRはポジティブな内容しか言及しないが、IRはネガティブな内容も言及する」と書かれていますが、これは表面的過ぎて実態を表してないとも言えますが、IRの一面を説明した表現としてはそうした面もあります。
IRからどのような決算情報を入手するのか
「アルファベット企業名 IR」で検索した結果、トップにグーグルのIRサイトが出てきます。↓ のサイトです。
まずは、こちらをクリックしてみてください。
クリックして出てきたサイトの左側には、次のようなメニューが並んでいます。
- News&Events
- Financial Information
- Corporate Governance
- Top Investor Questions
- Recent Announcements
- Other FAQs
というようなメニューが見えますでしょうか。このうち、企業決算情報が整理されているのが、Financial nformationです。こちらをクリックしてみてください。
まずは10Qをみてみましょう
すると、2015Quarterly Earningsの画面が出てきます。
その中には、Q1 Earnings Conference CallとQ2 Earnings Conference Callというように各四半期の決算説明会の内容が表示されます。
この中のコンテンツのうち、Quarterly Report on Form 10-Q というのが、SECに提出するグーグル公式の決算情報です。証券アナリストは、決算情報を正確に知ろうとすれば、こちらを参考にします。ところが、通称10Q(テンキュー)と呼ばれる決算資料は情報が多いため、Conference Call(日本語に訳すと電話会議)で使用される資料にはなりません。グーグル決算について詳細を知りたい場合は↓の10Qを参照してください。
決算説明会のプレゼン資料
電話会議で使用される資料は、10Qの数字を抜粋したり、要約した、Earnings Slidesを参照してください。こちらは電話会議で会社の経営者が説明を効率的にするためにまとめなおした内容です。会社によってはKPIなどが示されたりしている場合も多く、投資家すべてが役に立つ情報が入っています。一度見てみる価値はあります。
https://investor.google.com/pdf/2015Q2_google_earnings_slides.pdf
Googleのカンファレンスコールにチャレンジ
カンファレンスコールを聞いてみたい、でも夜中には起きられない!という方でも大丈夫です。グーグルが買収した動画配信サイト・ユーチューブでも電話会議の内容は聞くことができます。
このように、米国株に投資をしようとお考えの方は、情報に関してはあふれていますし、そのメディアも様々です。一度ご自身の興味のある企業を分析してみてはいかがでしょうか。
株価はどのようにすれば確認できるのか
決算情報とともに株価も重要であるが、どのように確認したらよいのでしょうか。
日本のYahoo!ファイナンスでも米国株の株価を確認することはできますが、ディレイ(遅れ)があります。
一番良いのは、米国のYahoo!Financeのサイトで確認すれば、ディレイなしのリアルタイムの株価を見ることができます。
グーグル(アルファベット)のリアルタイム株価を確認してみる
グーグル(現アルファベット)は種類株があるのでややこしいですが、以下のリンクから確認することができます。
まとめ
いかがでしたでしょうか。実は米国株の情報の方が英語さえ問題なければ情報があふれており、入手はしやすいです。少しずつ銘柄を拡げていっても面白いと思います。
米国の株式投資も日本株式投資も基本は同じですが、いずれもグローバルで成長する銘柄に投資をしてその成長を一緒に愉しめると良いですね。